このような小曲や曲の一部が入ったCDが好きで「音のカタログ」などとしてLPで出ていたころから買い集めている。最近出始めた100曲のアルバムもついつい集めてしまっている。 それらの一般的なCDのまとめ方は、静かな、劇的な、精神的な、癒しの、楽しいと言った様な曲のイメージの分類をしている。そのために単体なら買わないようなCDも含まれてくる。 このアルバムは、分類方法はありきたりだが曲のイメージによる分類をしていないので1枚のCDの中からも賑やかな曲、静かな曲、その他のいろいろな傾向の音楽が飛び出してくるのが楽しい。それがこのアルバムの特徴ではないかと思う。 私とって、このようなアルバムに期待する第一の点は、高い水準の演奏をBGMとして聴ける事なのでその点で合格点をつけたい。BGMとして聞くにしても演奏の水準の低い物では1枚のCDを聞き通すのはつらいものがある。 6枚のCDはプラスチックケースに入っているがこれは上手く工夫しているのでCDの保管方法として参考になった(それを見るためだけに3千円を払うのはあまりお勧めではないが)。
クラシックギターでは多くのバッハの曲がギター編曲されている、一番有名なのがバイオリンパルティータ及びソナタ、チェロソナタ、そしてこのリュート組曲だ。楽器のメジャー度から言えば断然バイオリンとチェロであり、具体的にリュートとはどんな楽器か?と即答できる人は寧ろ少数派なのかもしれない。 しかし、クラシックギター界では前者2つに劣らぬ位の地位にあり知名度があるのはなぜかギター版リュート組曲だったりする。やはりリュートとギターとは発音構造や外観も極めて類似した楽器だけに、例え両者の異なる楽器に編曲し直しても遜色が無いというのが大きいのかもしれない。 バイオリンのシャコンヌ程のインパクトのある曲は無いが、やはり時代の古さなど何処吹く風の究極なまでの計算し尽くされた旋律美はバッハならではだし、勿論このリュート組曲でも感じる事ができる。例えギターだろうがそれには変わりは無い。 巷にはいくつかのギター版リュート組曲の譜面が出回っているが、このCDは本人が全て独自に編曲したようだ。とんでもない労力だっただろう。やはりギタリストでありながらこのように作曲編曲ができる奏者が本当の意味で真の音楽家なのかもしれない。 とにかく、ギター版リュート組曲は音源だけでもそんなに出回っていないのでそれだけでも貴重な存在かもしれない。
ディスク6は抜粋の曲が多すぎる。だいたい6枚で101曲は無理がある。抜粋をなくして80曲くらいに減らしたほうがいい。101曲にするなら、ディスクを増やしてほしいね。コストの問題もあるんだろうけど。エイベックスは、100曲で10枚組にして、フェードイン、フェードアウトは一切ないけど、演奏がいまいちな楽団ばかり。こうしてみると、広く浅く聴いてしまいがちになる。
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