兄と妹のタブーを正面から比較的真面目に捉えた作品ですが、脚本と演出の構成に少々難があるので過去と現在が交差する場面が、観てる側としては少し混乱するところがありました。作品の完成度としては微妙なところですが、それを補って余り有るのが主演二人のパッショネイトな演技で、特に福田さんの、兄とのセックス・シーンに於ける感情表現は大したもので、思わず身をのりだしてしまう程興奮させられます。とてもチャーミングなところと少しアンニュイな感じが入り混じっていてとても魅力的です。ただ、これは最近の日本映画全般に言える事ですが、感情の昂ぶる時のセリフが聞きとりづらい点が難点ですね。ラストの三面記事的修羅場もしらけましたが、どうにも意味の無い不要なキャラやシーンが多過ぎます。監督の方向性はよくわかりませんが、これらを省くだけでもかなりキレイな作品になったかもしれませんね。★四つは主演二人の演技に捧げます。
正直、好き嫌いがかなり分かれると思います。自分は好きですね。 ブラックユーモアの解る人であれば楽しめると思いますが、真面目に理解しようと見ると意味不明かつ最低な映画に思えるでしょう。逆を取れば、この映画を観た後で自分が堅物真面目派か軟体ユーモア派かわかるかも。原作には忠実だと感じましたが、そもそも小説の映画化は想像力を削ることは避けられないので、人によっては全く違うように感じるかもしれません。 ラストはあれでよかったと思います。最後はかなり笑わせてもらいました。
全体のバランス・リズム感もよく、おそらくかなりの低予算で撮られているがそれぞれの画の完成度といい、三池監督の作品の中でも抜群の出来。もともとこの監督は子供のころから恵まれない環境で育った人物を(必ずといっていい程)物語の主要な役にもってくるが、そのテーマはこの作品でも変わらない。冒頭に出てくる主人公と母親のやり取りがここ10年の映画の一番印象深いシーンといっても過言ではない。
手数を出すカンフー映画は一撃が軽く見えてしまう傾向にあると思うのですが、本作はそこの魅せ方がとても上手です。 重量感のある突打蹴の連撃が流れるように打ち交される殺陣は、最早芸術の域に達していると感じる程。 格好良いというより、美しいという形容が相応しいかもしれません。 これぞカンフー・アクション! 香港映画のお家芸を鮮やかに見せてもらいました。
ストーリーとしても面白く、激動する時代に翻弄される達人・葉問(イップマン)という展開は新鮮でした。 実際に彼が生きた時代の背景を上手く活かして仇役を設定しています。また、その仇役に荷担する通訳・李が良い味を出しています。詳しくは書きませんが、敵と味方の間にいる彼の立ち位置の揺らぎは、観ていてとても面白い部分だと思います。
そして、「敵」についても、紋切り型の悪の一団ということではなく、それぞれに個性を持たせている所も好感触でした。キャラ付けがきちんとされているため、敵キャラにも厚みが出ていて、飽きさせません。
が!
評点を下げざるを得ない面もいくつかあります。
何より、ラスボスが弱い!! そこはもっと激闘してもらわないとハラハラしません! 最終決戦、本映画の一番の見せ場なのに・・・! ここは非常に残念でした。
それから、せっかく敵が異種格闘技を使うのだから、もっとそこを活かしてもらいたかった。カンフー対カンフーよりも、カンフー対異種格闘技の方が盛り上がったような気がします。また、雑魚敵が見るからに未熟であるのもいけません。そこは、異種格闘技の経験者を採用してもらいたかった。少なくとも、素人目には強そうに見えるくらいの。
そして、もうひとつ大きな減点要素は、ワイヤーアクションの使いすぎです。映像技術に依存しすぎて、逆に殺陣が嘘くさくなり、迫力が削がれている場面が多くありました。もう少し、純粋なマンパワーに頼っても良かったのではないかと思います。
■こんな人にオススメ ・映画を観てスカッとしたい ・香港映画の十八番、怒濤の殺陣が見たい ・バトル漫画(小説)を描(書)いている
■こんな人にはオススメできず ・暴力映画が苦手(ただ、残酷描写はありません) ・格闘技は一撃必殺が基本だと思っている(恐らく実際そうなのでしょうが、そのツッコミをこの映画にするのは野暮だと思います) ・右の人
シナリオ登竜門2002のDVD。
奥さんに先立たれた順ちゃんは、自分の死が間近になったとき、ある決断をする。
親が仕事で忙しく構ってもらえない昇太も、ひとりご飯が100回になったある日、計画を実行に移す。
ふとした偶然で出会った二人は、順ちゃんの思い出の地へと向かう。
そんな老人と子供の『心の交流』を描いた作品。
そして、真心ブラザーズの唄うエンディングテーマに号泣してください。
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