多分、この作品は評価が分かれるんじゃないかと思います。 京アニらしい丁寧な作画や、書き込まれた背景、エルお譲さまの可愛さに、 その「出会い」シーンの美しさはアニメ好きを満足させると思うのですが、 全体に動きが少なく、テキストやセリフだけで話を進める手法は、そういう 「動き」を主体にして見ちゃう方には不満が募るのではないかと思います。
でも、紙芝居や心象風景みたいな意表をついた演出や、全てに伏線がある ような軽妙な会話は、アニメというより「動画で演出した実写」みたいな 雰囲気があるだけでなく、何より「ミステリー」として上質なストーリーが 素敵で、ミステリー好きな読書人なら、原作を読んだ/読んでないに関わらず、 引き込まれる筈です。
そう、この作品は、アニメ好きな人より、アニメと同時に読書が好きという人、 更にはアニメは普段見ないけど、読書は大好きという人にこそ見てほしい 作品です。
(中でも特に年齢50代以上の、本当の読書人に見てほしいんです。 理由は次の巻以降にあります)
とりあえず、第1巻は「導入部」なので、う〜ん・・・と思っても、我慢して見て ください。次の巻以降を続けてみた時に「あれは・・・」と気がつくと思います。
アニメの氷菓ファンなら買って損はないと思いますが、 ドラマCDとしては正直ボリューム不足な印象。 収録されている内容はなかなか面白いのですが、聞いていて「え、もう終わり?」ってな感じです。
楽しみにしていただけに、ちょっと残念です。 おそらく第2弾も出ると思われますが、期待外れにならないことを願います。
あと、摩耶花の出番少なすぎw
同じ氷果の雫の赤の方がおいしいですが、こちらもデザートワインとしては最高峰と呼べるのではと個人的には思います。 非常に甘いので、ジュース感覚とは言わないまでも、軽い感覚で度数がそこそこのアルコールを楽しむ事ができます。 ワインが苦手な方に、ぜひ口にしてもらいたい一品だと思います。
PC版でも良い作品でしたが、新たな演出もありとても楽しめます。 購入してすぐは戦闘のロードの長さにうんざりして放置していましたがロード時間を短縮するパッチが出てかなり快適になっています。そのパッチの容量もスゴイですけどね… PC版でも思いましたが長いです。クリアまでかなりの時間を要します。
タイトル ↑ に関してはビジネス上の判断や大人の事情など色々あったのだろうと思いますが、 私は作り手側の「できるだけ良い環境で視聴して欲しい」という意思表示だと(勝手に)解釈しています。
どうしても画質の落ちるネット配信の映像を小型PCやスマホで見るのではなく、テレビ(or大画面モニター)の前で腰をおちつけてじっくりと鑑賞する。 そしてそれは、「作画だけが売り」という話とはちょっと違います。
当たり前ですが、一口に「アニメ」といっても様々なタイプの作品があり、作り手は様々な「受け取られ方」を想定して作品を作っているでしょう。 学校や仕事で疲れて帰ってきた夜、気軽に笑って楽しめるような作品を目指すのか? 「よし、今日はこれを見よう!」と決意してじっくりと鑑賞して、終わったあとしばし余韻に浸るような作品か? どちらがより良い、だとか高級だ、ということではありません。たんに「狙いが違う」ということです。 そして狙いが違えば、その作品に適した視聴環境も変化するのです。
たとえば『gdgd 妖精s』はTV放映もありましたが、基本的にはニコニコ動画での配信を前提に、 PCやスマホでコメントをつけながら見るのが一番楽しいアニメとして最初から設計されていました。妖精3人が「生主」になるエピソードまでありましたね。 (「合成乙」というコメントが流れるメタ的な構造も含めて、あれは傑作でした・・・)
大画面テレビでコメントなし、高画質で見てもローポリ感が目立つだけであまりメリットがなく、逆に「BDで出す意味がない」というのを自虐ネタにしていました。 (でも大好きだったのでBD買っちゃいましたけど。例の詐欺ジャケットもかわいかったし、後悔はしてませんw) これはネット配信の一般化に対応した成功例といえるでしょう。
いっぽう『氷菓』は地デジ/ブルーレイの普及に対応し、この環境下での視聴を前提に作られた作品だったと思うのです。
『氷菓』で展開される物語は、アニメとしてはかなり地味な部類に入ります。 日常のささいな謎をフックにして描かれるのは、ヒロイン・千反田えるに接することで揺さぶりをかけられる主人公・折木奉太郎の価値観だったり、 古典部メンバーの人間関係の微妙な距離の変化だったり、どうにもならない感情のすれ違いだったりします。
米澤穂信による原作小説(古典部シリーズ)では、それらのちょっとした感情の揺らぎを綿密な文体で表現しています。 扱っているのが「日常のなかのちょっとした(でも大事な)こと」だからこそ、それらを説得力をもって、魅力的に表現するためには綿密な文体が必要になる。 そしてこの意味において、文体に相当する役割を果たしているのが、アニメ版での映像です。
よくいわれるように、『氷菓』の映像はテレビアニメとしては群をぬいて綿密なものです。 キャラクターの動きや表情の細やかさ、背景の精密さ、 場面ごとの空気感の表現(たとえば雨のシーンならば、湿った空気が画面の中にちゃんと”ある”と思わせてしまうほどの) その映像の綿密さが、日々の人間関係の中での「ちょっとした(でも大事な)」物語を魅力的に見せるための支えになっています。 この作品で画質を落とすことは、小説においての文体の弱体化に相当する、と言ってしまいたくなるほどに、物語と映像が結びついていたと思うのです。
同時に、リアル寄りの綿密な映像がベースになっているからこそ、ときおりなされるアニメ的な跳躍、 たとえば例の「気になります!」で豹変するえるの表情や、奉太郎の推理シーン、実写ではありえないような光の処理等々がパンチとして効いて、 結果として実写では表現できない、アニメならではの魅力的な世界を創り出すことに成功していました。
番外編の11.5話だけはUST配信がされましたが(画質悪かったですね)あれはあくまで『氷菓』ファンに向けての 「良い画質で見たければコミックス買ってね」というプロモでした。 こんなこと書いて、今後ニコ生一挙とかが決まったらちょっとアレですがw 個人的にはコメントをつけながら見るのには向かないアニメだと思います。 配信売りは、かなりの高画質・高音質が実現すればありかもしれませんが。
と、このように作品自体は大好きなんですが、売り方に関しては不満が・・・ BD全11巻は金銭的にも収納スペース的にも厳しいですね。22話なんだし、8巻ぐらいにまとめて欲しかったです。 業界の細かい事情はよく分からないですが、例えば全26話の『未来日記』なんかは9巻におさまっていたので・・・
作品内容についてのレビューではないのでどの巻に投稿しようか迷ったのですが、せっかくなので現時点での最新巻にしてみました。長文失礼いたしました。
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