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お江戸ふしぎ噺 あやし (怪COMIC)  特徴的な表紙絵から直ぐに作者が判るものの「普通の着物」に驚きました。
今まで中国や韓国の歴史物、日本では十二単が多かった皇氏がこの時代を描くと、
余りに見慣れない感覚で、しばらく不思議な感覚に囚われたままでした。
しかしやはりというかさすがというか、十分に素晴らしい絵を堪能させていただきました。

 しかも今作は日本人らしい体型など故意に泥臭く、庶民的に書かれている気がします。
ただ綺麗なばかりの絵に非ず(p91,174の女性などは表情に浦沢直樹氏的な戯画化も感じます)。

【梅の雨降る】人を呪わば穴二つ…その穴を掘るのは結局自分の「罪悪感」かもしれない。
【時雨鬼】人が鬼になるのか、鬼が人に化けるのか。相手は、そして自分は鬼か人か。
【灰神楽】ある火鉢から立つ灰神楽は、にらめっこをするようにこちらの視線を捕えてしまう。
【女の首】生まれつき声の出ない少年・太郎の周りに現れる、黄色い小人と女の首の怪。
【蜆塚】もしそんなモノと会っても、口外してはならない。言えば…言えないようにされるまで。

 いずれも甲乙つけがたい作品ですが、個人的には【梅の雨降る】と【女の首】が好きです。
皇氏の描く子供は、足首や足の甲がぷっくりしていて可愛らしい。特に人物の指が美しく、見惚れてしまいます。

シリアナ [DVD]  ここに展開される物語は、石油が近代文明に最も必要な資源となった20世紀初頭から、利権を巡る構図はまるで変わっていないことを教えてくれる。政治機構に深く入り込み、他人の土地から収奪する利益は中小国家のGNPを凌駕し、枯渇するその時まで決して離しはしないであろう。

 CIAの老工作員、石油アナリスト、石油企業の敏腕弁護士、原理主義のテロリストはそれぞれが主人公である。場面を刻々と変えていきながら、次第に絡み合う陰謀と罠。淡い理想は豪奢なパーティーの裏で無惨に砕け散っていく。淡々と事実を積み重ねるような取り方は「大統領の陰謀」を思わせる。ハリウッド一流のストーリー展開は見事に功を奏し、ドキュメントの枠を超えたエンターティンメントに仕上がっている。

運命 二人の皇帝 痛快世界の冒険文学 (18) もともと中国物の物語は描写がざっくりとしていることが多い。
田中氏が好んで書く中国物もそれを踏襲しているようだ。
これは翻案であり氏のオリジナル作品ではないが、
やはりそのスタイルで描かれている。
最近くどい描写が目立つ栗本薫あたりが書いたら、
5冊でも足りないのではないか(笑)

あまりのめり込んで読む類の話ではない。
どちらかというと歴史の流れを上から俯瞰している感じ。
だからといってつまらないわけではなく、
ひたすら読みやすく書くことに徹している作品。


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