月刊誌「サムソン」時代から、氏のファンでした。
自分がモテないことをひたすら自虐的に書き綴り、
そして上から見下す「モテ系」ホモのことを辛辣に書き殴る文章は、
氏が「発明」したという、ハメ撮りホモビデオと同じくらい、
ホモ業界には革新的な出来事だったと(門外漢の自分から見ても)思います。
その初著書とあって、発売を待ちわびていました。
波長の合いそうな熊田プウ助氏のマンガで、原作との相性はばっちり。
限られた予算と時間で世界中にハッテン場を求める姿には
どん引きする人もいるかもしれませんが、熊田氏のマンガというフィルターを通すことで、
第三者視点で一歩引いて楽しめるようになっていますので、
この手の話題に興味のない人でも楽しく読めます。
また、完全おひとりさまバックパッカーの旅行記としては勉強になることも多いです。
mixiやツイッターでいつもモテないことをつぶやいていますが、
あんな書き捨てのところで氏の才能が散らかされていくことを残念に思います。
ぜひとも、彼の過去から今までの原稿をまとめて出版して欲しいと思います。
平沢進のディスコグラフィに燦然と輝く名盤「SIREN」が、高品質となって再発売された。しかも、ボーナストラック付きで。
すでに旧「SIREN」の方は所有しているが、高品質とボーナストラックに惹かれてまた買った。
新盤と旧盤を聴き比べてみると、新盤は旧盤の薄く霞がかかったような音質が改善されて、雲ひとつない青空のような澄みきった音域が広がっていた。楽曲一つ一つが新たに生まれ変わり、今まで聴こえなかった旋律までハッキリと聴こえてくる。
値段も手頃になったし、音質改善されてボーナストラック付きだし、旧盤を持っている方も、持っていない方も、是非是非買ってほしい。
さて、以下は楽曲の感想。
1.電光浴‐1 師匠の孤高な歌声で幕開ける前奏曲。次第に聴こえてくる電子の打音と危険を知らせる警報音は徐々に相反し、最後は不気味で無機質な警報音が鳴り響きながら次曲へと繋がる。
2.サイレン 師匠の歌声が一番感じられる珠玉の曲にして、全アルバム屈指の名曲。壮麗で妙なる歌声と旋律は、その絶望的な内容の歌詞とは対照的で、聴いていて不安と安息が交錯する。
3.On Line Malaysia アジア風味の旋律とコーラスが特徴で、師匠の東南アジアに対する愛情が溢れる曲。溢れ過ぎて神曲になっちゃうのは師匠の悪い癖である。治さなくて良い。
4.Siren 空耳で有名な曲。2.サイレンと相対する曲で、負けず劣らず壮大で美しい曲。「麗しのその名」である「セイレーン」を叫ぶ時、師匠の直接的な歌声はどこか悲哀感があり、涙腺を刺激される。
5.Nurse Cafe 師匠お得意のぶっ飛んだ曲である。軽快なテンポとコーラスがドタバタを繰り広げる曲で、前曲の悲哀感をこれでもかと打ち消す。ちなみに曲名のカフェは実在する。
6.Holy Delay 前曲の雰囲気から一転、電子の旋律が美しいお経のような曲。前曲でぶっ飛んだ師匠は、今度は静かに語らうように歌う。
7.Gemini 同上。時に力強く歌い、そして優しく歌う。歌詞に注目して聴いてほしい。
8.Day Scanner アジア風味の強い楽曲。得意の歌声とコーラスを惜しみ無く使い、曲全体を一つの小宇宙に仕上げている。
9.Siam Lights きらびやかな旋律と師匠の歌声が見事にマッチした曲。アルバムの終焉を匂わせ、私たちに最後の夢を見せるのである。
10.電光浴‐2 電子の打音が響き、師匠は短い詩歌を口ずさむ。次曲へアプローチする為の曲であり、私たちはここで夢から醒めるのである。
11.Mermaid Song 電子の海に現れる人魚、このアルバムのコンセプトであり元凶。そんな彼女をモチーフにした美しくも儚い大曲である。悲哀も絶望も、彼女の前では無意味だ。
ボーナストラック
*電光浴* 1と10の本来の姿。終始、電光浴‐2の旋律で進行する。
*サイレン* 2のカラオケバージョン。
インドだけしか使っていませんが、問題なく使えました。
少々割高かと思いますが、これ一つで世界中のコンセントに
繋がるので、何個も買い足す必要がなく、各国飛び回る人には
良い商品だと思います。
|