雑誌連載9回分が収められていますが、ほぼ前半はどこまでいっても妙ちきりんな父親と母親の話で、後半は四女・うめの恋愛(?)話となっています。前半の突然さは、ふーみん作品の真骨頂といったところでしょうか。でも結局通り一遍の解釈で終わりを告げてしまいます。後半はうめの話なので、四姉妹の影は薄くなってしまいます。
どうも女性4人(あるいは母親を含めて5人)を1つの話に詰め込みすぎた感じもあるのかもしれません。1人1人だけで十分1つの作品にできる力をふーみんは持っていたのではないかと思うのですが。
そういうもののために、本まで買って読んだのは初めてでした。
そして、愛情と思いやりが、人と人との間の距離まで決めてしまって、かなしいものだな、と思いました。
TVドラマの話の進み具合がもどかしいものだったのに対し、マンガの方は読む側のスピードで読んでいけるので、あっという間に読めてしまいます。同時進行の体験でした。
なつかし~。 高校生の頃、漫画雑誌に連載されていた頃はあんまり面白いと思わなかったのです。絵は描写的でないし、第一ストーリーが理解できなかったし。で、大学に入って、ちょっといいな、と思ったのですね。自分のまわりにありそうでない恋愛の描写。現実にあるどろどろしたものを多少残しつつ、適当に解毒する距離感。就職から結婚という終身雇用時代における大切な人生の決定過程において揺れ動く20代の心のゆらめきを上手く描写しつつ、本当に触れたくない恋愛の醜さはさらっと流す微妙な感覚。大学生の頃って、恋愛のことばっかり考えていたものです。 さて、今になって、実はお見合いもしてみたり(そしていろいろないざこざにあってみたり)、アメリカに留学もしてみたりして、結構、自分史的にかぶっている部分あってのことでしょうが、なんとなく過ぎてしまった、そして自分では(似たような時間をすごしつつも)経験できなかった青春って奴がそこに描かれている感じがして、いいんだなぁ。名作だと思います。それは多分、過ぎてしまった時間に対する郷愁に過ぎないのかもしれないのだけど、本当にイイカンジに感傷的になってしまうマンガです。優れて個人的な問題のような気もしますが、とても好きな本です。
愛媛から上京してきた永尾完治(織田裕二君)を出迎えに来ていたのは、赤名リカ(鈴木保奈美さん)、これが東京でのラブストーリーの運命的出会いであった。永尾君には片想いの女性がいたが、リカの押しの強さにリードされ、ふたりは少しずつ”恋”におちていく。リカは、持ち前の明るさと行動力で永尾君の中に入ろうとしたが、彼は片想いの女性が忘れられず、彼女の元へいってしまう。リカはニューヨークへ転勤し、ふたりは別れてしまった。その後、街中で偶然再会し、リカに結婚したことを伝える。リカの恋愛は、永尾君にとって重すぎたのでしょう。恋愛のチューニングのむずかしさを表現している作品です。個人的には、リカの性格が好きですね。スパッと竹を割ったような性格が好きです。愛媛に行く機会があり、この作品のロケ地を見てきました。ロケ地へ行ってみると、ドラマのシーンがよみがえってきました。ロケ地へ行って見たくなるほど大好きな作品です。永尾君と赤名さんがハッピーエンドになってほしかったです。昔をなつかしんで、時々、主人と見ています。
家族崩壊はさらに姉妹崩壊へと話が進んでいくようですが、もともとこの四姉妹は姉妹の体裁をした柴門マンガのステロタイプな女性たちですから、崩壊も何もあったものではないとも言えます。
それにしてもフーミンは正三郎のような男性が好きなのか、いつもいつも出してきますね。もう少し違った展開があるものか、次巻を楽しみにといったところでしょうか。
|