初代ランボーはベトナム帰還兵の苦悩を若きランボーに投影することで、逞しくも悲しいヒーローとしてのランボーを印象付けました。
その後の続編にしても、ベトナムに置き去りにされたまま救われることのない捕虜たちや、ソ連に侵略を受けているアフガニスタンの人々といった、冷戦当時の世界情勢を反映した何かしらの『メッセージ』が込められたものばかりでした。
昨今はハリウッドでも、独善的な勧善懲悪思想や利益優先が更に極端化し、舞台背景を簡単なものにしたり曖昧にしたりして観客に分かりやすいシナリオ設定をする作品が増えました。 それは何かを訴える作品が減ったということでもあると私は思います。
そんな中、安易な続編にしなかった今作は良い意味で非常に驚きました。
軍事政権の支配するミャンマーの実際の資料映像を使用した惨状を冒頭に、迫害される少数民族や、人権侵害行為を包み隠さず描いています。 単に敵を悪逆非道に描く演出ではなく、実際にミャンマーではそういったことが起きているのだと予備知識がなくとも伝わってくる説得力が凄い。
また、そうした狂気の世界では暴力なくしては身を守れないという複雑な無力感が、国境なき医師団のヒロインの、正論ながらどこか平和ボケした言動と対比されています。 思想的なことを押しつける気はありませんが、平和憲法が世界を救うといった考えの人にも「問答無用の現実の戦争は果たして憲法という紙きれだけで防げるか?」という一つの問いかけになっていると思います。
激しいアクションシーンも圧巻ながら、ただのアクション映画として一年後には忘れられているような内容ではないのが、さすがはランボーです。 残虐なシーンも多いので、万人にオススメできるものではないのですが、多くの方に見て欲しいと思います。
単純に懐かしんで購入したのだが・・本当に深い作品。見始めると一瞬、年甲斐もなく怪しく発達したスタローンの肉体ばかり気になるが、パート3から20年、冷戦終結後は戦争の形態も変化、急速な情報化、昨今のウィキリークスの米軍の動画等、一般市民が何もかも知れてしまう世の中、昔のようなまやかしは通じない。スタローンはこの映画で、戦場における現実を酷いまでにリアルに、忠実に描く事で、反戦の意を訴えたかったのではないか?。彼が歳を取っただけでなく、映画人、人間として大きく成長したのでしょう。。しかし、全編においてこれだけショッキングな内容にもかかわらず、シリアスなだけでなく、エンターテイメント的な要素が感じられるのが、彼の才能、不滅のスター性なんでしょうか
映画本編に半端では無いほど、衝撃&感動してしまった僕としては、「これは文庫本も買うっきゃない!」・・・って事で書店で購入、あんまり期待してなかったんですが、意外!かなりイケますよ! 映画では描かれなかった、各キャラクターの心理描写も活字で描かれていると、改めて「なるほど・・・」と思わせられるし、ちゃんと文庫本でしかない、オリジナル・ストーリーもあります。 個人的に、今作の特徴でもある5人の傭兵、ひとりひとりのショート・ストーリーが嬉しかったです。(ちなみに僕は、元韓国兵のティム・カン演じる、エン・ジョーが好きです。寡黙でカッコよかったです!・・・最後、残念だったけど・・・。)
映画並みにすっ飛ばして読んでいったので、かなり読後感爽快な一冊。 みんなぁ〜!本編観るか、文庫本か読んでランボーの事好きになってくださいね。
劇場版のDOLBY TRUE HD 5.1 から このエクステンデッド盤はdts 7.1になったのと特典映像が嬉しかったです。ですが、できれば英語字幕も欲しかったですね。 どちらも個人的には楽しめるので購入しても損はないと思います。
|