刊行時のベストセラーで、現在もジャンル上位のロングセラー。
いまさらですが、未だに注目されているようですね。
他のレビューにもありましたが、私も恐怖を感じているので一言…
本書は、あるレベルまでは実践に値する内容で
面白く、読んで損はありません。
しかし現在のサブプライム問題等に鑑みると
若干、思考が軽薄な印象があるんです。
このような思考法が現在の経済大恐慌を起こしてしまった、
とも考えられます。
大昔の人がお金がお金を生む素晴らしい仕組みを発明しました。
しかし汗水流して働くことはもっと素晴らしいことだと思います。
本書だけを子どもに読ませ、真に受けさせてはいけません!
薦めるなら他の値打ちのある本とセットで読ませるべきだと思います。
モーガン・フリーマンの代表作を1本選ぶとすればやはり本作になるだろう。暖かくティム・ロビンス演じる主人公を見守り、彼から希望を与えられ変化していくキャラクターが素晴らしい。その造形も含め、すべてが感動のラストに向けて収斂していく無駄のない脚本は見事の一言に尽きる。伏線を張り巡らせた無駄のない構成はまるでラストを消失点とした緻密な遠近法の絵を観ているかのようだ。もっともS.キングの原作の力も大きい。
冤罪の恐ろしさ、終身刑が精神に及ぼす影響、刑務所生活の残酷さ等のテーマは重いが、その中でどんな状況でも自暴自棄にならず絶望しないこと、希望を捨てないことの大切さが心を打つ。刑務所を舞台にした作品として、語り口は異なるものの、「ミッドナイト・エクスプレス」と双璧をなす名作だ。そして、忘れられない名場面の数々。終盤30分ほどの畳み掛ける展開はもちろん、過酷な刑務所生活の中で仲間達がビールを飲む場面、そしてモーツァルトのフィガロの結婚のアリアが刑務所中に響き渡る場面。特に後者はモーツァルトの音楽の偉大さを雄弁に物語っていてとても忘れることができない。作品の展開の鍵を握る主人公の監獄の部屋のポスターがリタ・ヘイワース、マリリン・モンロー、ラクウェル・ウェルチに変り、使われる音楽もノスタルジックなジャズ、カントリー、ロックンロールに変わって行く等、塀の中の物語でありながら、アメリカ社会・文化の変化もしっかり織り込む演出の細かさにも唸らされる。文句なしの星5個の名作だ。
とても状態が良いものだったので、得した気分になりました。
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