本書と御堂関白記 藤原道長の日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 (角川ソフィア文庫)(以下、別著といいます)の違いについて。
本書は御堂関白記の全文が掲載されています。全文を読破したい方は本書を。
本書には原文や読み下し文がありません。これらを確認したい方は別著を。
本書は巻末に用語解説や人物の注がありますが、本文(現代語訳)の解説は
ないので、人物や背景事情などについての知識がないと意味が分からない
部分がかなりあります。従って、解説を読みたい(必要な)人や初学者は
別著を先に読んだほうが良いと思います。
別著にはコラムなども豊富あります。
本書はこの時代について詳しい人が、同時代の種々の日記と併読して比較したり、
この時代についての著書を読み込んだ人が道長の視点で知識の確認をするのに
適していると思います。
関白(=亭主)とは本来、二番目の位であり、一番偉いのは天皇(=妻)。
従って、関白たる亭主は天皇である妻に尽くすべきである!!
という新(真)の亭主関白を唱えた本です。
本書には、妻の尻に上手にひかれるための数々の方法が掲載されています。
どれもこれも本当に面白いものばかりで、思わず笑ってしまいます。
そこまでするか!?と思われる人も多いでしょうが、
ひとえに愛する妻のため。亭主たちの妻への愛情がひしひしと伝わってきます。
僕もこの本を読んだおかげで恋人との関係が改善されました(笑)。
熟年離婚を心配する団塊世代がメインターゲットかとは思いますが、
恋人の気持ちをしっかり掴んではなしたくない独身男性や
夫婦間のトラブルで悩む(もしくは悩んでなくても)女性の方々にもおすすめできる本です。
さだまさしさんの、と言うかグレープの『精霊流し』からのファンなので、かれこれ35年以上まっさんの歌を聴いてます。 だからオリジナルアルバムは全部持っているのですが、我慢出来ずに買ってしまいました。 ディスク1枚目のグレープ、2枚目のソロデビュー直後の名曲の数々は、勿論入門編として最高だと思います。そして3枚目の収録曲のラインナップと、何より4枚目がグレープ時代からのライブ音源と言うのが良い! ライブはまっさんの真骨頂です。 少しでも"さだまさし"に関心の有る方なら、安価ではありませんが決して損のないCD・BOXだと思います。
歴史小説では物の役に立たぬ愚物として描かれることが多いこの武将の、知られざる一面――「文化的素養」を備えた「教養」のある武将としての意外な一面――に光を当てた書物である。限られた史料の丹念な分析を通じて、秀吉・秀次養父子の機微の変化を巧みに解明している。
「天皇の歴史」シリーズとある。しかし天皇を語るにしては、宣命の解読に致命的な欠陥がある。本書の宣命解読は、著者が熱心に学んだ先行研究と同じレベルであり、これまでの誤りが依然訂正されていないといわざるを得ない。
ポイントは終章の「シラスとマツル」にあり、この著作の価値を台無しにしている。「天皇を神とする例外的な思想」つまり「現人神思想」は「書式上」において「律令制に組み込まれている」というものである。
いかし、文武天皇即位の宣命を、本居宣長・小中村義象・木下道雄の著作から読めば、「現御神止」が「しろしめす」の副詞であることは明白となる。そして当然ながら、天皇即ち現人神(現御神・明神)という用例は国典にひとつもみられない。万葉集は文芸作品であり、天皇の公式発言ではない。イチローを打撃の「神様」という類である。
津田左右吉が、「記紀はもとよりのこと、その他の文献に於いても、現つ神または現人神の称呼を有せられ神性をもたれるやうに考へられていた天皇も、宗教的崇拝の対象となっていられたやうなことは、少しも記されていない」と述べたことも知っていて、著者はこの問題の解決にあたっていない。
歴史物語が書店に溢れている今、天皇の歴史を語るとすれば、過去における詔勅の誤った解釈を正すことで意義がある。宣命の「明神止御宇」(あきつみかみとあめのしたしろしめす)を歴史的文脈から正しく解読できていない本書の終章は、やはりこの現人神問題に対する誠実さに欠け、学問的な進歩が見られないというしかないだろう。
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