ニッポンのロック・ギタリスト/森園勝敏
その昔(1975年)、World Rock Festivalというイベントがありましてな。ジェフベックをオオトリにして日本のバンドが集ったコンサートでしたが、それの札幌公演で初めて四人囃子を見た。森園さんはモロにピンクフロイドのデビッドギルモアでした。直ぐに「一触即発」を買って、「空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ」が大好きな曲になった。でも、それっきり聴くことはありませんでした。
今回、ひょいと見かけて購入し彼の変遷を味わいました。あの時代、その時代、この時代の音を真っ当に受けて活動しているのですね。代表作と言われている「Lady Violetta」が3Version挿入されていますが、そんなに大騒ぎするような名曲ではありません。それよりも軽いストラトの音に今まで抱いていたイメージが良い意味で崩されたのが嬉しかったですね。チャーと並んで日本のギタリスト名鑑の筆頭に掲載されるギタリストでしょうね。
ムトゥ~踊るマハラジャ~【字幕版】 [VHS]
とても楽しくて俺も踊りたくなった。最高だった。ストレスにかかっているときにおすすめ。
薪能 (角川文庫)
この作者の日本や日本文化に対する姿勢というのは、何か必死なものがある。それは自身の出自に依るものだろうと一般には言われている。「日本の滅びのことしか考えていなかった。滅び行くものの他は一行も詠うまい。そんな決心をした人もいた」(情炎)、というような主人公の独白を読むとき、そこまで追い込む作者の執念には圧倒されてしまう。日本の古典文化への傾倒という点では、「活花の師匠が、如何にして上手に花を活けるか、という技巧に熱中しているなかで、(中略)・・・花器や壺に無造作にひとつかみの花を投げ入れ、あるいは小さな湯呑茶碗に一輪さしの花を添えたりした」(情炎)と言うような箇所に、神髄に固執する作者の心根が感じられる。世阿弥の「花伝書」の語句を冠した作品もある!作者にとっては現代風の装飾過多な風潮というものには苦々しさを感じてならなかったのだろう。
本作品集では主人公達(概ね不倫関係にある男女だが)は自分で自分を追いつめ、孤立して破滅していってしまう。作者は、日本文化に対する確固たる視点を持つ主人公達を、繰り返し追いつめ、破滅させることで、自分の身代わりとして自身の破滅を回避して延命するつもりだったのだろうか。やはり圧倒される執念だ。