ページがフルカラーだからかちょっとお値段が高めですが、本編もおまけページも思ってたより充実していたので損はしませんでした。 確かに本編の方は見づらい部分もありましたが、まあアニメコミックスとはそういう物でしょう。 私はレビュータイトル通りJFのアニメは観ることが出来ませんでしたが、それでも楽しめました。 特に声優さんのコメントとキャラクターの設定画(コミックスのカバーを外すと更に・・・)が載っていたのはアニメも好きな私にとっては嬉しかったです。 ただ、わがままを言うなら設定画はもう少しあってもよかったかな〜と。
「ハコミ・メソッド」の「ハコミ」とは「あなたは何者か」という意味のホピ・インディアンの言葉で、からだを手がかりにして無意識とつながるセラピーの一つです。1970年代の半ばに、この本の著者であるロン・クルツによって創られました。 このメソッドの特徴は、徹底的にクライアントの無意識のプロセスを信じて、そのプロセスにゆだねていくこと。タオイズムや仏教の考えに大きく影響を受け、何か治そうとするのではなく、徹底的にコントロールを手放していきます。 (「ハコミ・メソッド」の背景に流れるタオイズム・仏教の考えに関しては、この本よりも前に翻訳出版された『ハコミセラピー--タオイズムと心理療法』(G・ヨハンソン+R・クルツ著 春秋社)に詳しい。) その方法は、クライアントが身体に感じる微妙な感覚に焦点を当てていく「フォーカシング」、今起きていることにはすべて理由があるとしてプロセスを大切にしていく「プロセス指向心理学」などと共通部分がたくさんあります。しかし、それらに比較した「ハコミ・メソッド」の特徴は、セラピストやクライアントのあり方のほか、用いられるテクニックが、明確かつコンパクトにまとめられ、体系化されていることです。 セラピストは「ラビング・プレゼンス」(愛をもって今ここにいる)、クライアントは「マインドフルネス」(自分の内面に注意を向ける)状態にいることが求められます。そのなかで、クライアントの現在の体験に常に焦点を合わせ、クライアントの無意識を信じてプロセスを進めていきます。 そして、セラピストは「プローブ」(クライアントの中で何が起こるかを観察してもらうための言葉)や、「テイクオーバー」(クライアントが発する言葉や保っている姿勢をセラピストが肩代わりする)といったテクニックを用いながら、プロセスをより深く進めていきます。 本書はそんな「ハコミ・メソッド」の体系をわかりやすくまとめた本です。これまで「ハコミ・メソッド」を学ぶための本としては、先ほど紹介した『ハコミセラピー--タオイズムと心理療法』や『ハコミセラピー』(R・クルツ著 星和書店)がありました。ただ、前者は「ハコミ・メソッド」の背景を流れているタオイズムを中心に紹介したものであり、具体的なメソッドを学べる本ではありませんでした。また、後者は詳細にメソッドを解説していますが、かなりの大著なため、入門者にとってはかなり取り組みにくいものでした。 そんな中、本書が出版されたのは、「ハコミ・メソッド」がより広く普及する大きなきっかけになると思います。 「ハコミ・メソッド」を本格的に学んでみたいと思われるカウンセラー・セラピストの方はもちろんですが、コーチングを行っている方にも、基本的なあり方や考え方を、抽象的なカタチではなく具体的に学べる良書です。また、会社の管理職、学校の先生、家庭の親など、人をサポートする立場にある方にも、基本的なコミュニケーションの土台を学ぶために読んでもらいたい本です。 多くのコミュニケーション本が、相手をいかにコントロールするかに重点をおいているなかで、相手をコントロールしないことを原点においている「ハコミ・メソッド」はとても新鮮で、大きな変化をもたらすと思います。 だれにでも読みやすく、お勧めです。
|