70年代のフォークで、忘れられない心にしみる曲が“「いちご白書」をもう一度”ですね。あらためて今聴いても・・・胸が熱くなりますね。
☆学園紛争映画というジャンルは【アメリカン・ニューシネマ】が生まれた時代の1つの象徴でもあり、1969年にはリンゼイ・アンダースン監督の超過激な問題作『もしも……』やエリオット・グールドがヒゲもじゃの学生運動の闘士を熱演したリチャード・ラッシュ監督作品『…YOU…』(1970年)等々、世界各国で、色々な形で映画になっているが、これは1968年にニューヨークのコロンビア大学で実際に起こった闘争を、ウェスト・コーストに置き換えて映画化した作品。原作は同時学生だったサイモン・クーネンの手記(同名フィクション)で、オフ・ブロードウェイの劇作家として有名なイスラエル・ホロヴィッツが脚色している。なお本作は1970年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞している。サイモン(ブルース・ディヴィソン)はボート部員のノンポリ学生(死語かな?)。 ストライキ中の大学に、見物がてら姿を見せるのが始まりだ。ストライキの原因は近所の貧しい子供たちの遊び場を、学校当局が取り上げようとしたのがことの発端だった。利用目的は軍事の予備将校訓練隊のビル建設である。サイモンはピリピリしたムードが漂うストライキ中の校内で美人の女性解放委員リンダ(キム・ダービー)と知り合い、彼女に惹かれる形で闘争に参加する。彼女と親しくなれたので、闘争は愉快なモノであったが、やがて闘争の本質を知り、当初はリンダを目当てに闘争に加わっていた彼は下心を捨て去り、本気でこの問題に取り組んでいく。その事によりサイモンは怒りの闘士に変身、積極的に運動を続ける。そして、大学側の腐敗が暴露され、プライドと名誉を傷つけられた学生たちの怒りが大爆発し、荒波の如く奔流となってあふれ出した。学生たちの異様な興奮と熱気が冷めやらね中、たまりかねた当局は実力行使を決定。武装警官隊は州兵に応援を要請する。やがてバリケードを破り、校内に突入、大義名分の三旗の元に学生たちの鎮圧と一斉検挙を強行する!。という、コロムビア大学の〈ステューデント・パワー〉の物語だが、今日的に考えると決して他人事や絵空事ではない内容であり、随所に慄然とするような緊迫感が炸裂。特にラストの地獄絵図ならぬ修羅場の見せ場は映画史上に残るであろう、観るのも躊躇しそうになる程のやりきれないインパクトがある。学園のにこやかな日常生活をしんみり調に描いた前半に対して徐々に不安感を煽る後半の烈火の如くの脅威的な展開は白眉。クライマックスの大合唱に、ジャン・レノン&ポール・マッカートニーの「ギブ・ピアース・ア・チャンス」が使われ、他にも既成のロックやフォークも沢山。スチュアート・ハグマン監督の斬新な映像感覚にも圧倒される見応え充分の名作です!☆。
☆学園紛争映画というジャンルは【アメリカン・ニューシネマ】が生まれた時代の1つの象徴でもあり、1969年にはリンゼイ・アンダースン監督の超過激な問題作『もしも……』やエリオット・グールドがヒゲもじゃの学生運動の闘士を熱演したリチャード・ラッシュ監督作品『…YOU…』(1970年)等々、世界各国で、色々な形で映画になっているが、これは1968年にニューヨークのコロンビア大学で実際に起こった闘争を、ウェスト・コーストに置き換えて映画化した作品。原作は同時学生だったサイモン・クーネンの手記(同名フィクション)で、オフ・ブロードウェイの劇作家として有名なイスラエル・ホロヴィッツが脚色している。なお本作は1970年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞している。サイモン(ブルース・ディヴィソン)はボート部員のノンポリ学生(死語かな?)。 ストライキ中の大学に、見物がてら姿を見せるのが始まりだ。ストライキの原因は近所の貧しい子供たちの遊び場を、学校当局が取り上げようとしたのがことの発端だった。利用目的は軍事の予備将校訓練隊のビル建設である。サイモンはピリピリしたムードが漂うストライキ中の校内で美人の女性解放委員リンダ(キム・ダービー)と知り合い、彼女に惹かれる形で闘争に参加する。彼女と親しくなれたので、闘争は愉快なモノであったが、やがて闘争の本質を知り、当初はリンダを目当てに闘争に加わっていた彼は下心を捨て去り、本気でこの問題に取り組んでいく。その事によりサイモンは怒りの闘士に変身、積極的に運動を続ける。そして、大学側の腐敗が暴露され、プライドと名誉を傷つけられた学生たちの怒りが大爆発し、荒波の如く奔流となってあふれ出した。学生たちの異様な興奮と熱気が冷めやらね中、たまりかねた当局は実力行使を決定。武装警官隊は州兵に応援を要請する。やがてバリケードを破り、校内に突入、大義名分の三旗の元に学生たちの鎮圧と一斉検挙を強行する!。という、コロムビア大学の〈ステューデント・パワー〉の物語だが、今日的に考えると決して他人事や絵空事ではない内容であり、随所に慄然とするような緊迫感が炸裂。特にラストの地獄絵図ならぬ修羅場の見せ場は映画史上に残るであろう、観るのも躊躇しそうになる程のやりきれないインパクトがある。学園のにこやかな日常生活をしんみり調に描いた前半に対して徐々に不安感を煽る後半の烈火の如くの脅威的な展開は白眉。クライマックスの大合唱に、ジャン・レノン&ポール・マッカートニーの「ギブ・ピアース・ア・チャンス」が使われ、他にも既成のロックやフォークも沢山。スチュアート・ハグマン監督の斬新な映像感覚にも圧倒される見応え充分の名作です!☆。
☆学園紛争映画というジャンルは【アメリカン・ニューシネマ】が生まれた時代の1つの象徴でもあり、1969年にはリンゼイ・アンダースン監督の超過激な問題作『もしも……』やエリオット・グールドがヒゲもじゃの学生運動の闘士を熱演したリチャード・ラッシュ監督作品『…YOU…』(1970年)等々、世界各国で、色々な形で映画になっているが、これは1968年にニューヨークのコロンビア大学で実際に起こった闘争を、ウェスト・コーストに置き換えて映画化した作品。原作は同時学生だったサイモン・クーネンの手記(同名フィクション)で、オフ・ブロードウェイの劇作家として有名なイスラエル・ホロヴィッツが脚色している。なお本作は1970年カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞している。サイモン(ブルース・ディヴィソン)はボート部員のノンポリ学生(死語かな?)。 ストライキ中の大学に、見物がてら姿を見せるのが始まりだ。ストライキの原因は近所の貧しい子供たちの遊び場を、学校当局が取り上げようとしたのがことの発端だった。利用目的は軍事の予備将校訓練隊のビル建設である。サイモンはピリピリしたムードが漂うストライキ中の校内で美人の女性解放委員リンダ(キム・ダービー)と知り合い、彼女に惹かれる形で闘争に参加する。彼女と親しくなれたので、闘争は愉快なモノであったが、やがて闘争の本質を知り、当初はリンダを目当てに闘争に加わっていた彼は下心を捨て去り、本気でこの問題に取り組んでいく。その事によりサイモンは怒りの闘士に変身、積極的に運動を続ける。そして、大学側の腐敗が暴露され、プライドと名誉を傷つけられた学生たちの怒りが大爆発し、荒波の如く奔流となってあふれ出した。学生たちの異様な興奮と熱気が冷めやらね中、たまりかねた当局は実力行使を決定。武装警官隊は州兵に応援を要請する。やがてバリケードを破り、校内に突入、大義名分の三旗の元に学生たちの鎮圧と一斉検挙を強行する!。という、コロムビア大学の〈ステューデント・パワー〉の物語だが、今日的に考えると決して他人事や絵空事ではない内容であり、随所に慄然とするような緊迫感が炸裂。特にラストの地獄絵図ならぬ修羅場の見せ場は映画史上に残るであろう、観るのも躊躇しそうになる程のやりきれないインパクトがある。学園のにこやかな日常生活をしんみり調に描いた前半に対して徐々に不安感を煽る後半の烈火の如くの脅威的な展開は白眉。クライマックスの大合唱に、ジャン・レノン&ポール・マッカートニーの「ギブ・ピアース・ア・チャンス」が使われ、他にも既成のロックやフォークも沢山。スチュアート・ハグマン監督の斬新な映像感覚にも圧倒される見応え充分の名作です!☆。
ユーミンの「いちご白書をもう一度」が大ヒットして、今でも時々聞くことが出来るのに、当時、あれだけ衝撃的な評判を取った映画「いちご白書」を見る機会はほとんどない。今回、この原作が復刊されて、改めて当時のことを思い出してみた。
日本では70年安保で全国の学園で「闘争」が起こっていた。それは、日本だけでなく、世界中の学園で起こっていた。この本は、アメリカのコロンビア大学紛争を扱っている。場所は違っても、若者たちのどうしようもない怒りの捌け口は変わらない。荒っぽい、強引な論理であり、一般的には、この本の中にもあるが、「ゲーム」をしているような感覚が一部にあったことも確かだろう。それでも「戦争」(当時はベトナム戦争)に対する反対の意思表示をどうしたらいいかといった時、何かしないではいられなかったのである。
この本を復刊した人の意図は何だろう?その後の「高度成長」の中で、日本が失ってきてしまった「心」が、そこに見出せるということではないだろうか。
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