小沢さんのコンダクトで、テーマはグローバルというところだと思います。ですが、演目はだいたいきまっているので、そんなに指揮者の個性は出しにくい行事だと思います。しかし、ウイーンという地方都市のローカルなイベントを世界放送されるまでにプロデュースした故カラヤンと、その弟子である小澤先生が世界に認められたの偉大な指揮者として招へいされたというのがとてもエキセトリックで、素晴らしいことだろうと思います。
しかし、やはりシュトラウス中心で、コンダクターが選曲できる余地が少ないので、毎年テレビで見てきた自分としては、今年はこの曲が無くて、この曲があるんだなというようなところです。秀逸だったのは「悪魔の踊り」でしょう。弦楽が激しくまわり、いかにも小澤さん向きの曲です。しかし、この曲はニューイヤーコンサートに持ち込むにはギリギリOKというラインです。逆にそこが、マンネリ気味のコンサートに山椒のようにスパイスを与えてくれたと思っています。
小澤さんは、満州生まれで国際感覚バリバリの平和主義者です。20歳そこそこで、日本から貨物船に乗って、インド洋を渡ってマルセイユに着岸してから、バイクに乗ってパリに、ベルリンに音楽の勉強に行くようなバイタリティですので、私の想像力をはるかに超えています。「ボクの音楽武者修行:小澤征爾」
ウイーン・フィルもドイツ語人ばかりでなく、だんだん国際オケとしての潮流に逆らえなくなっています。新年の挨拶は、団員の故国の各国語での紹介からはじまり、小澤さん本人は「ハオ」と北京語であいさつして会場を盛り上げました。
かつては固定指揮者で行われていたローカル行事を、国際イベントに仕立てたカラヤンへのオマージュに勝手になってしまったことでしょう。このコンサートのおかげで、大したことないウイーンという町が一流ブランドになったのですから。会場は日本人の観客が多く、小澤さんの家族もいらっしゃいました。大いに盛り上がって多くの富裕層からも歓迎されている姿はとても輝いています。
ウイーン・フィルは指揮者によって、それほど音を変えませんが、今年は小澤さんの方針に従って弦楽をフューチャリングされていて音も分厚かったと思います。松本ほどではありませんが。ウイーン的な方言は「控えめで高貴」ですから、その範囲内でのオケ仕込みだったと感じました。
映像を見た後、CDで音だけも聞き入りましたが、聞き慣れている曲とはいえ、大変素晴らしいです。カラヤンが小澤さんに「指揮はinviteだ」と言ったそうですが、団員にお仕着せをせず1人の音を招いて引き出す技術がそのまま体現されている演奏でした。
小澤さんがウイーン国立歌劇場に入ったころにこの盤を見ましたが、地元のオペラではどうでしょうね。地元人ではウイーン的な演奏が欲しいところでしょうから、賛否は微妙かもしれません。しかし、ニューイヤーだけは国際イベントですので、小沢さん自身の音だけでなく、エンターテイメントに対する情熱が強く伝わってきました。
脂の乗り切ったご両人の対談は面白い。
記述も、本当に語り口調のままで、それがまた、ぎこちなく
愉快だったりする。
音楽が国によってここまで考え方や取り組み方が違うものか
と、不思議な納得をした。著名な音楽家たちも、なんで有名
なのか、なんで著名なのか、2人の解釈を聞いていると、な
るほどと、かなり親近感を覚えながら、それぞれの人物像を
把握できます。
こういった対談を時間をかけて、何度も回数を重ねて行えた
こと自体、ものすごく文化的な価値があると思う。
20年以上経っても、いまだ読み応えのある話。ぜひ、見つけ
て、ひとりでも多くの人に読んでもらいたい!
後にも先にもたった1回の小澤征爾の指揮によるウィーンフィルとのニューイヤーコンサートの映像、最初に買ったDVDは画質は良いが 遠景の場面ではカラーモアレが気になっていたが、最新のテクノロジーによるアップコンバートでハイビジョンの様にきれいになった映像に感激ものです。特典映像のバレイや乗馬学校も美しい、買って損なし。
2010年9月、松本でのチャイコフスキー弦楽セレナードのライブ録音が入っています。 聞き始め、少し荒い?と感じたけれど、いいのいいの。 小澤征爾さんの唸るような声が入っていて素敵♪ カラヤン指揮のもの、小澤征爾さん1992年指揮のものと聞き比べたけど、全然違いました。 私は小澤征爾さん指揮の2010年弦楽セレナードが好きです。
デッカ 小澤征爾ベスト101 [CD1]小澤征爾による名曲コンサート(15曲)/[CD2]小澤征爾による交響曲への誘い(15曲)/[CD3]小澤征爾によるフランス音楽集(15曲)/[CD4]小澤征爾によるロシア音楽集(21曲)/[CD5]ニューイヤー・コンサート2002ハイライト(16曲)/[CD6]小澤征爾による華麗なるオーケストラ・サウンド(19曲) ボストン交響楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、フランス国立管弦楽団、サンフランシスコ交響楽団、サイトウ・キネン・オーケストラ 他 指揮:小澤征爾 録音:1973-2002年 20年程前から何度か生演奏&ゲネプロを拝見して来ただけに、親近感湧きます。この「ベスト101」シリーズでは、以前に「ウィーン・フィル」を購入したのですが、ただ単に安いだけに留まらず、選曲・演奏内容共に満足出来る内容となっています。早く体調が良くなります様に祈っています。
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